弊社では、博多人形の修理を、可能な限り、対応させて頂いております。
実は、博多人形師によりますと、人形の修理は、新しく作るよりも数倍手間がかかるそうです。
そして、この理由で、過去は、お断りする事が多かったそうです。
弊社も、同様の対応をとっておりました。
しかし、阪神・淡路大震災から数年後、大阪で、展示会に出展しておりましたら、一人の女性が、壊れた女性姿の博多人形を持って、お越しになりました。
それは、今でも生産されている人形で、首から上が、ありませんでした。
「この人形を、何とか元の姿に、戻していただけませんか。」
よく見れば、胴体の部分にも、ヒビが入っており、実際修理は、難しいと思いました。
仮に、修理できるとしても、実際の購入価格の、５倍くらい修理費がかかるようでしたので、「今でも、この人形は作られておりますので、新しくお買い求めになられた方がよろしいのでは･･･」と、お伝えしましたところ「この人形は、命の恩人なんです。いくらかかってもよろしいので、お願いできませんか。」と・・・。
震災の時、気がつけば、顔の間近まで物が倒れてきていたそうです。そこに空間があり、その空間で、助かったそうです。
そして、その空間を作っていたのが、博多人形だったそうです。
頭の部分は、粉々になりながらも、倒れてきた木材をささえていたそうです。
まさに、奇跡のお話しでした。
お預かりして、人形師にお願いして、１年がかりで修理いたしました。
もちろん、言葉では表せないほど、喜んで頂きました。
それからは、可能な限り、修理の対応をさせて頂くようにしています。
そして、その人形の思い出も、差し支えないところで、伺っております。
その度に、博多人形が、本当に皆様の思い出とともに、飾られてきた事を痛感し、もっともっと、このご縁を大切にしなければと、心に誓っております。
現在も、５体の博多人形を、お預かりしております。
その中には、昭和初期のものであろうと思われる人形で、お母様の形見の人形もございます。
人形の価値観から、場合によっては、修理をしない事を、お勧めする事もございます。
御見積をするに当たっては、人形の現物か、詳しい（たくさんの）写真を、ご準備頂くと幸いです。
文章や、お言葉だけでは、御見積は出来ませんので、ご了承下さい。
また、催事で伺っております際に、お持ちいただいても結構です。
きっと、これもご縁の一つだと思います。
どうぞ、お問い合わせ下さいませ。